記事 019:アミダの器、見えない線
記事要約
萩焼の小福茶碗との出会いをきっかけに、くじ運の悪さという個人的な記憶と、器に走る貫入模様が重なり合う物語。
使い込むことで変化する器の香りと触感を通じて、「見方を変えないと何も見えてこない」という気づきを学ぶ。
カテゴリー
器
- 日本の食文化の中で、私が暮らしの中で触れてきた一場面を綴ります。
熾火を囲むような穏やかな気持ちで読んでいただければと思います。
1. あみだくじ
陶器 小福茶碗(こふくちゃわん) 萩焼 (愛称:アミダ)
子どもの頃から、私のくじ運はかなり悪い方でした。
外れてほしいときには当たりを引き、当たってほしいときは外れを引く。
特に「あみだくじ」(縦線と横線を引いて選択肢を決める日本の伝統的なくじ引き)では、私はいつも裏目に出ることが多かったです。
この運の悪さは社会人になっても変わらず、地域の役員選出などで必要に迫られてあみだくじを引いていました。
そして、忙しいときに限って、追い打ちをかけるような役回りが回ってきました。
当時は色々と思い悩むこともありましたが、今では人がやりたがらない様々な経験ができたと前向きに考えています。
そんな私がこの器と出会ったとき、表面に走る細かなひび模様がまるでアミダクジのように見えて、面白いと思いました。
私がこの器でお茶を飲むと、「良いことも悪いことも最後は一緒になって丸くなる」という穏やかな安らぎを感じます。
この器が私に教えてくれたのは、「見方を変えないと何も見えてこない」というごく普通のことです。
2. 購入場所
山口県萩市の窯元にて
3. 大きさ
両手で包み込むように持つと、程よく手の中に収まる大きさです。
日常使いから特別な席まで、幅広い場面で活躍する使い勝手の良い大きさとなっています。
4. 手に取った感じ
表面にはアミダクジのような深い貫入(かんにゅう)があり、微細なざらつきがありながら、不思議と手になじむ優しい触り心地です。
この質感は使い込むほどに愛着が深まり、器との距離が縮まっていくのを実感できます。
- 貫入(かんにゅう:陶器の表面にできる細かなひび模様)
5. 器から立ち上る香り
この小福茶碗は、その日の気分に合わせて様々な用途で楽しめます。
湯漬けやご飯茶碗、また梅干茶、紅茶、コーヒーなどの器として。
一つの器が役割を変えていきます。
器からは「私のことを理解できましたか」という予期せぬ問いかけがあり、私は困惑する時もありました。
私が購入した器との距離を測る方法は、適切に手入れした器に白湯(さゆ)を注いで、器から立ち上がる香りを嗅ぐことから始まります。
香りが複雑さを帯び、どこか食欲を誘うようになっていれば、私にとっては器がかなり馴染んできていると感じます。
これは磁器では難しく、土の温かみを持つ陶器ならではの楽しみ方だと思います。
この器を作った陶芸家の方は、「日常的に使い込んでいくことで、器本来の美しさが引き出される」と話されていました。
時間とともに変化する器の表情も、今後の記事でご紹介していきたいと思います。
- 注:器から立ち上がる香りを愛でることは、日本の陶磁器文化における個人的な感性的観察であり、健康効果や特定の効能を主張するものではありません。
6. 茶筅と綱引き(つなひき)
茶筅(ちゃせん:竹製の茶をかき混ぜる道具)を使うときは、外側の細い竹の部分が貫入に引っかかることがあるので注意が必要です。
洗うときは、他の食器と当たらないよう気をつけることも大切です。
たとえ欠けが生じても、漆(うるし:天然の塗料)で補修することができます。
その傷さえも新たな景色として楽しめると、私は考えています。
これも私が器との暮らしから学ぶ景色の変化だと思っています。
7. 今回のまとめ
「つぶらたな われめもんよう たけめぐみ」
[Tsuboulatana Ouarémémonyo Takémégoumi]
Tsu, Blue, Ta, Na, Voies, Ray, Mets, Mont, Yo, Ta, Quai, Mets, Goumi.
L’Eau est la poterie. Le vent est la porte. Le parfum est l’ombre.
関連リンク
萩焼の窯元関連の器
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参考文献
参考文献については、下記リンクをご利用ください。
今回参考にした文献は、器 01、器 02、工 01 です。
音声データ(音):2025_019_ja01
音声データ(朗読):2025_019_ja02(作業中)
Microsoft Clipchamp: Brigitte, VOICEVOX: 四国めたん
記事 終わり
- 皆様の食卓に小さな発見と懐かしさをお届けできればと思います。

