記事 017:手の中の時間—織部焼の片口
記事要約
山口県萩市で出会った織部焼の片口。
本来の織部の色が薄くなった偶然が、逆に魅力となった一品です。
湯冷ましとして、小鉢として、日常に寄り添う器。
お湯を注ぐと底の方から美しく輝き、適温になるまで眺める静かな時間を楽しんでいます。
使い込むほどに変化する表情、作り手の知恵が宿る縁の形状。
偶然と時間が紡ぐ、器との対話の記録。
カテゴリー
器
- 日本の食文化の中で、私が暮らしの中で触れてきた一場面を綴ります。
熾火を囲むような穏やかな気持ちで読んでいただければと思います。
1. 湯冷まし
今回紹介するのは、私が山口県萩市で出会った織部焼の片口です。
織部焼は安土桃山時代からの焼き物で、独特の色合いが特徴です。
片口は注ぎ口のついた伝統的な形で、通常は醤油や酢などを移し替える時に使用されます。
片口には様々な扱い方がありますが、私はこの片口をもっぱら食材を盛る器として使っています。
季節に合わせて、春の緑が鮮やかな食材には鰹節を散らして盛り付けています。
また、なめらかな「おぼろ豆腐」や「出汁で馴染ませた山芋汁」を入れることもあります。
粘り気のあるものを入れても意外と注ぎ口の切れが良いので、食卓を汚すことが少ないです。
- がごめ昆布
- ご飯
また、手頃な大きさなので、お茶をいただく時、熱湯を適温まで冷ます湯冷ましとしても重宝しています。
お湯を注ぐと、底の方からだんだんと美しく輝いて見えます。
私はその輝きを眺めながらお湯が適温になるのを待つ、そんなひと時を大切な楽しみにしています。
2. 購入場所
山口県萩市の窯元にて
3. 大きさ
両手で包み込むように持つと、程よく手の中に収まる大きさです。
日常使いにも特別な席にも適した、使い勝手の良いサイズとなっています。
4. 手に取った感じ
この片口は重心が低く安定感があります。
縁付近の模様が自然と手を導いてくれます。
表面には心地よいざらつきがあり、手になじむ優しい手触りです。
私はこの質感を使い込むほどに愛おしく感じています。
5. 使う場面
この片口は、その日の気分に合わせて様々な用途で使えます。
刺身、酢の物、漬物や煮物を盛る小鉢として活躍しています。
- しめ鯖
- ニガウリの炒め物
この器を作った陶芸家の方は、この片口を茶器として制作したそうです。
日常的に使い込んでいくことで、器本来の美しさが引き出されると話していました。
時間とともに変化する器の表情も、今後記事で書きたいと思います。
- きゅうりの漬物
- トマトや葉物のサラダ
興味深いことに、この作品は薪窯での焼成時に陶芸家の方が温度調節に苦心し、その結果として本来の織部の色が薄くなってしまったそうです。
けれども、この偶然生まれた色合いが逆に魅力となり、私はこの片口を使うたびに本来の景色を想像しながら楽しんでいます。
- がごめ昆布(織部焼の片口)
- 冷奴(織部焼の四方皿)
- 茄子の炒め物
- きゅうりのサラダ
- じゃことピーマンの炒め物
6. 持ちやすさ
縁の形状が工夫されているため、洗い物の時も他の食器と一緒に重ねても扱いやすく、安心して使用しています。
この縁の配慮には、作り手の長年の経験から生まれた知恵が込められているように感じます。
7. 今回のまとめ
「てゆあしゆ ゆぶねむすびて にわみぐさ」
[Téyuachiyu, Yubouné mousoubité, Niwamigouça.]
Thé, Yu, Ah, Si, Yu, Yu, Boue, Nue, Muse, Bis, Thé, Ni, Wa, Mis, Gusa.
Le Pas de l’Arôme. La Neige qui Nage. La Peau qui Se Regarde.
関連リンク
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参考文献
参考文献については、下記リンクをご利用ください。
今回参考にした文献は、器 01、器 02、工 01 です。
音声データ(音):2025_017_ja01
音声データ(朗読):2025_017_ja02(作業中)
Microsoft Clipchamp: Brigitte, VOICEVOX: 四国めたん
記事 終わり
- 皆様の食卓に小さな発見と懐かしさをお届けできればと思います。




