記事 018:庭、茄子と大根の声

記事要約

庭仕事で疲れた身体が求める大根の辛味。

茄子への切り込みの「丁寧さ」を探究する日々。

ぬか床に鉄を入れる知恵、鉄瓶での試行錯誤、有田焼の小鉢に刻まれた時間。

庭の間口で立ち止まり、身体の声を聴く。

発酵、錆、褪色という変化を慈しむ。

カテゴリー

料理


  • 日本の食文化の中で、私が暮らしの中で触れてきた一場面を綴ります。
    熾火を囲むような穏やかな気持ちで読んでいただければと思います。

1. 大根おろしの辛味

  • 厚揚げと茄子の煮物に大根おろし添え
  • イクラのはさみ「かまぼこ」


有田焼の黄色小鉢に盛った厚揚げと茄子の煮物に大根おろし添え。イクラのはさみ「かまぼこ」

気候がやっと穏やかになってきたので、懸案の庭の片付けを始めました。

取り掛かってみると、次々と気になるところが増えていきました。

よせばよいのに、いい気になって作業を続けてしまった挙げ句に、動きすぎたせいか、今日は食欲がありません。

こんな時は、私は必ず大根を使った料理を妻にお願いしています。

これは、私の長年の習慣と妻が作る味となっています。

私は大根おろしの辛味が強い部分を薬味として使います。

その薬味は、イクラの上に少し乗せて食べると、練り物との相性が良く、私は味の変化を楽しんでいます。

そして、煮物皿の底に残った煮汁を吸った大根おろしとイクラをご飯に乗せて食べるのが、私の楽しみです。

不思議とこうすると、私の場合は食欲が戻ってくることが多いです。

さて、今回は茄子にまつわることを書きたいと思います。


2. 茄子の見た目

私は、茄子には丁寧に切り込みを入れることが大切だと感じています。

そうすることで、格段に食べやすくなります。

ただし、私はこの「丁寧さ」の加減が難しいと感じており、煮崩れしたり味の染み込みが不十分になったりします。

そのためには、茄子の固さを見極めながらの微調整が必要と思います。

茄子だけの煮物なら簡単ですが、厚揚げと合わせる場合は苦労しました。

それぞれの食材に味が均等に染み込むようにするのが難しいのです。

肉質の柔らかい茄子に切り込みを入れすぎて煮崩れさせてしまったこともありました。

厚揚げにはフォークで穴を開けて味の染み込みを良くするなど、様々な工夫を試してみました。

「口に入れば一緒」という考え方もあるかもしれませんが、私は見た目も料理の大切な要素だと考えています。

そのため、この部分は私にとって大切なこだわりです。


3. ぬか床

私は茄子の変色を防ぐために、ぬか床に鉄を入れて本来の色合いを保つ工夫をしています。

これは、私が発酵食に興味を持った時に、ぬか床をかき混ぜている知人から教わった知恵です。

昔から伝わる方法で、茄子の色合いを保つのに効果的です。

さらに、コバエが気になる時期には使わなくなった冷蔵庫を利用してぬか床を管理することも教わりました。

この対策は、蒸し暑い夏場でも、ぬか床を混ぜる頻度を減らすことができてとても役立ちました。

私がぬか床に入れる鉄は「南部鉄器製 ぬか漬け用鉄玉」を使用しています。

私が購入した当時は実用一点張りの無骨な形でしたが、今では可愛らしい形のものが多数販売されています。


4. 鉄さびの味

そういった流れで、鉄の可能性にも興味が湧いて、鉄瓶や鍋をいくつも試してみたことがあります。

残念なことに、鉄瓶や鉄鍋の違いや効果について、私には分からないことばかりでした。

ただし、お茶は私には美味しく感じられました。

参考程度のお話ですが、私は当初、鉄瓶の維持管理が心配でした。

そのため、手始めに湯沸かしには「ぬか漬け用鉄玉」を入れて代用しました。

この方法でも、思いのほか違和感なくお茶を味わうことができました。

ただし、このお湯が冷めてから飲むと、私は鉄の匂いと味がきつく感じることが多々ありました。

温かいうちに飲むことが大切だと学びました。

その後、私は売れ残りの鉄鍋を購入しました。

喜んで色々と試したところ、鉄鍋で作った味噌汁は私にはひと味違って美味しく感じられました。

嬉しいあまり、二回に分けて食べようと思って多めに作りました。

しかし、翌朝に蓋を開けると、見た目や味が大きく変わってしまっていることがありました。

鉄分が料理に溶け出すことによる変化だと思われます。

このことから私は、鉄鍋や鉄瓶を使用する際は一食分で食べ終えることが重要だと学びました。

これらに関連して、水なすのぬか漬けについて詳しく書いている

記事 016:ぬか漬と水菜

もご覧ください。


5. 有田焼の小鉢

私が今回煮物などに使用している黄色い器は有田焼の小鉢です。

この器は、大きさが手頃で、我が家では日々の食卓でとても重宝しています。

  • ごぼうとツワブキの煮物


有田焼の黄色小鉢に盛ったごぼうとツワブキの煮物

購入場所

私が年に一度は訪れている佐賀県西松浦郡有田町の「アリタセラ / Arita Será」です。

詳しくは公式サイトをご覧ください。

リンク:https://www.arita.gr.jp/

大きさ

両手で持つとちょうど良い重さと高さで、扱いやすい寸法となっています。

手に取った感じ

表面がつるつるしすぎていないので手になじみやすいです。

ただし、油ものを盛って片手で取り上げる時は、指をかける位置に工夫が必要です。

油で滑りやすくなるため、持ち上げる際には注意して扱うようにしています。

使う場面

私たちは普段の食事で使用しています。

ちょっとした食材の盛り付けに重宝しています。

金の縁取りと黄色が食卓に華やかさを与えてくれます。

そのため、使用頻度はとても高いです。

その代わり、長年の愛用により金の縁取りが薄れてしまいました。

私は、この薄れ具合も景色の変化として楽しんでいます。

  • なすと柚子味噌
  • 豆腐と柚子味噌
  • サラダ


有田焼の黄色小鉢に盛った茄子と柚子味噌、有田焼の丸皿に豆腐と柚子味噌、有田焼の小鉢にサラダ

持ちやすさ

洗う時も持ちやすく、他の食器と一緒に洗っても安心感があります。

この洗いやすさも、食卓に上がる回数が多い理由かもしれません。

日々の食事準備において、使い勝手の良い器は私たちにとって本当に大切な存在です。


6. 今回のまとめ

  • 「なはまぐち なすびすずしろ なれにほひ」

  • [Naha magouti Nassoubi souzouchiro Narénio hi]

  • Na, Ha, Ma, Goût, Chi, Nas, Bise, Su, Su, Shiro, Na, Ray, Ni, Oh, Hi.

  • Mal de dos de la brique, mal de ventre de la fleur, vertige du paravent.


関連リンク


参考文献

参考文献については、下記リンクをご利用ください。
今回参考にした文献は、器 01、器 02、工 01 です。


音声データ(音):2025_018_ja01

音声データ(朗読):202518_0_ja02(作業中)

  Microsoft Clipchamp: Brigitte, VOICEVOX: 四国めたん

記事 終わり

  • 皆様の食卓に小さな発見と懐かしさをお届けできればと思います。