記事 005:お米づくしー掌で測る
記事要約
通い慣れたお米屋との別れから始まる、米との静かな日々の記録。
グリンピースご飯、牡蠣ご飯、いなり寿司、おむすび—様々な米料理を通して描かれるのは、器との対話、失敗の率直さ、そして妻への感謝。
だが本当の核心は、疲れた時に米袋へそっと手を差し入れる、その密やかな儀式にある。
「一般的には理解されにくい」と自覚しながらも、著者は本当のことを書く。
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料理
- 日本の食文化の中で、私が暮らしの中で触れてきた一場面を綴ります。
熾火を囲むような穏やかな気持ちで読んでいただければと思います。
1. お米屋さんとの別れ
車から降りると、「いらっしゃい。今日は何処のお米にしましょうか」と、いつもの笑顔でお米屋のご主人が迎えてくれます。
奥様は、いつものように砂糖たっぷりの熱々コーヒーを出してくれました。
店を訪れるのは三ヶ月ぶりです。
それから、私達はご主人、奥様を交えて季節の話題、米の動向などを伺いました。
ご主人の思いが一段落すると、お勧めのお米の話題となります。
ご主人は、価格や銘柄、産地などにこだわらず、私達が食べきる期間を考えて美味しいお米を勧めてくれます。
ありがたいことです。
最初の頃は、五分搗きをお願いしていました。
倉庫の天井まである大きな精米機にかけると、30kgの玄米はあっという間に精米を終えました。
透明な筒の中を流れるお米の動きを見るのは、いつ見ても飽きません。
幼い頃、ガラス瓶と棒を使って玄米を搗いた経験もありますが、そのたびに精米技術の進歩には感心するばかりです。
当時の私は、お米を搗くことに夢中になりすぎて、周りを糠だらけにしてしまいました。
母の困った顔が思い出されます。
お米屋さんとのつき合いが深まるにつれて、搗きたての魅力に惹かれ、ついに家庭用精米機を購入しました。
機械についた糠の掃除は大変ですが、美味しいご飯のためなら、私にはその後始末の手間も苦になりません。
さて、困ったことが起きました。
時代の流れか、行きつけのお米屋さんが廃業になりました。
仲の良い夫婦の笑顔は、もう見られなくなりました。
心残りですが、お米のない生活は考えられなかったため、次を探す必要がありました。
幸い、知人の紹介で、次の購入先を無事見つけることができました。
2. ご飯と梅干し
織部焼の四方皿によそったご飯と我が家で初めて作った梅干しです。
どちらも主張が控えめで、お米の甘みを梅干しの酸味が引き立てて、つい食べすぎてしまいます。
3. グリンピースご飯
萩焼と唐津焼の茶碗によそったグリンピースご飯、そして光背皿には梅干しを添えました。
萩焼の器は、口の開きが大きく高さが扁平になっているため、グリンピースの香りを感じやすく、私好みの形です。
4. 黒米とカレー
知人から白米に黒米を混ぜるとご飯が美味しくなるとの話を聞き、一合ほどお裾分けをいただきました。
ちょうど、昨日から仕込んでいたカレーが食べ頃になっています。
早速、私達は黒米入りご飯を炊くことにしました。
今回のご飯は少し固めにしたかったので、あえていつもの水加減で炊くと、狙い通りの炊き上がりとなりました。
ここまでは良かったのですが、カレーの刺激が強すぎたようです。
これは失敗でした。
ご飯単体で食べれば美味しかったのですが、カレーと合わせると黒米の味が消えてしまいました。
次回は、漬物と合わせてみたいと思います。
5. 牡蠣ご飯
今回は、広島旅行の時から大事にストックしていた「牡蠣ご飯の素」を使いました。
味付けも炊き上がりも、期待通りに美味しくできました。
半分は残して牡蠣入りおむすびを作る予定でしたが、美味しすぎて、私達は全ての牡蠣を食べてしまいました。
おむすび作りは次回の楽しみにしました。
切り干し大根の煮物との相性が良くて、ついつい食べすぎました。
今度は、佐賀県鹿島市の「道の駅鹿島」で購入した大粒の牡蠣が美味しかったので、自分で下拵えから挑戦してみたいと思います。
今から来年が楽しみです。
6. いなり寿司
萩焼の四方皿に盛ったいなり寿司です。
台所から、いつもの出汁の香りが漂ってきて、急にお腹が空いてきました。
妻が、ちょうど油あげとすし飯を仕込んでいました。
市販品の味付けも気になりますが、最後は妻が煮含めた油あげの味に落ち着きます。
呪文のように「またお願いします」と、食べ終えるたびに私は言っています。
そして、その一言のおかげか、いなり寿司を作る時の妻は、いつもより機嫌が良いようです。
7. わかめおむすび
萩焼の四方皿に盛ったわかめおむすびです。
私が一日中作業をする時の昼食は、妻におむすびを握ってもらいます。
急ぎの作業の時は、手早く食事を済ませることができ、大変ありがたいです。
いつものことですが、磯の香りと塩加減、握り具合が絶妙です。
そのため、急いでいるはずなのに、「もう一つ、もう一つ」と食べてしまいます。
8. 小豆玄米おむすび
我が家定番の小豆玄米おむすびです。
多めに作って冷凍保存しています。
食べる時は、事前に冷蔵庫で解凍し、オーブンでこんがり焼いたり、温めて小豆粥にしたりして食べています。
9. お米は友達
新米が出回る時期となりました。
夏の気候が厳しい時は、特にお米の出来が気になります。
今年は、粒が揃ってスズメや虫の被害が少なかったようです。
我が家では、お米を玄米で購入し、自宅で精米しています。
お米に虫がつくと大変なので、私は保管場所の管理には常に気をつけています。
私だけですが、ひどく疲れたときはお米の入った袋の中に、そっと手首が隠れるまで手を差し入れます。
手を差し入れる時は、お米に「お休みのところ、ちょっとお邪魔します」とつい言ってしまいます。
そして、無心で袋から立ち上がるお米の香りや温もりを感じます。
呼吸が落ち着くまでそのまま袋にもたれかかります。
この動作は、一般的には理解されにくいと思います。
妻も呆れていますが、私にとっては大事な儀式となっています。
まだ人生は長いので、お互い無理をせず、心身を大切に労わるようにしています。
10. 今回のまとめ
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てのひらで しずかにはかる こめのせい
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[Té no hira dé shiz'ka ni hakaru komé no séï]
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Thé, Nos, Hi, Rats, De, Si, Doux, Qu'a, Ni, As, Car, Eau, Coque, Mets, Nos, Seuil.
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Ma main mesure, dans ce grain, la plus grande promesse du prochain matin.
関連リンク
参考文献
参考文献については、下記リンクをご利用ください。
今回参考にした文献は、料 01、料 02、料 03、料 08 です。
Microsoft Clipchamp: Brigitte, VOICEVOX: 四国めたん
記事 終わり
- 皆様の食卓に小さな発見と懐かしさをお届けできればと思います。






